仙の倉山 2026m (シッケイ沢を滑る)


   2月21日は全国的に晴れて風も無い絶好の山行日和と言う気象情報で南会津の山に行こうかと登山届を出した後で、昨年も山スキーで何度かご一緒した佐藤さんから、仙の倉山からシッケイ沢に行きませんかとの電話が入った。シッケイ沢は12,3年 〜7,8年前にかけて3回行っているが思いで深い。それ以後行って無かったので、また行くのも良いなと思い同行することにした。南会津の山の登山届はキャンセルして平標山、仙の倉山の登山届を出した。
 

  付近の苗場スキー場などの週間積雪情報を見ると、13〜15日にかけて大量の降雪があったが、その後は積雪量が増えていない。この間に落ちるべき雪は落ちて、積もった雪は締まって吹きだまり以外は雪崩の恐れは殆ど無いと予想された。

  天候は良いし、土曜日なので他にもこのルートを辿る人がいると期待したが、仙の倉山に上がったのは我々だけであった。シッケイ沢の上部は雪が波打って雪が締まった状態で上部の滑りはやや苦労したが、中間部から下部は雪が緩んでいて滑りを楽しめた。

  しかし、シッケイ沢を降りた後の毛渡沢沿いから群大ヒュッテまでは気温が上がったせいもあり下りラッセルを交えルート取りにもやや時間がかかった。群大ヒュッテ前からの下りも時間がかかり、道路沿いの毛渡橋に到着したのは日没直前であった。このシッケイ沢あるいは西ゼンを滑り降りる先行者がおりそのトレースを利用すれば下りは楽だろうと思っていたが宛てが外れた。

  
  2月 21日(日) 快晴無風

同行者2名

登行高度:1050 m、 滑降高度:1380 m 

本橋平標山登山口(7:40)-平標山手前尾根筋(11:00)−仙の倉山(12:25〜13:15)- 毛渡沢出会い(14:20〜14:35)-群馬大ヒュッテ前(16:05)−毛渡橋道路際登山口(18:00)

   前夜のうちに二居の駐車場に行き車中泊した。朝6時に起き、簡単な朝食を取り用意して6時40分に火打ち峠のトンネル前の道路際駐車場に向かった。10台以上の車が停まっており、既に出発した人、山スキーの準備中の人で賑わっていた。

   さすが山スキーヤーに人気の平標山である。晴れていて青空が見え風も無い絶好の日和であった。車を停めて準備を終わり、佐藤さんが来るのを待った。約束の7時を少し回った所でやって来た。準備して予定時間よりやや遅れて出発。

   別荘地に向かう道路も少しだが雪が残っていてシール歩行を続けた。別荘地を過ぎるとと林道沿いのルートとなる。大勢の先行者のお蔭で立派な登路が出来ておりシール歩行を順調に続けた。目の前に平標山とヤカイ沢、反対側には苗場スキー場や神楽スキー場、神楽ヶ峰が青空に映えている。

   樹林帯をハイクアップした後、先行者のルートに従ってヤカイ沢を右側に向かい斜度が急になる手前のダケカンバの所で少し休憩。少量の行動食を取り、水を飲む。

ヤカイ沢下部の樹林帯を進む              平標山とヤカイ沢                   ヤカイ沢の右側に行く
  

  休んだ後、みぎぐぁの急斜面となった尾根筋を上がって行った。先行者による立派な登路が出来ており、いつもより楽なハイクアップ。尾根筋に上がり、何時も休憩するダケカンバの近くで休んで佐藤さんが上がってくるのを待った。

上がった尾根筋から見る苗場スキー場        尾根筋をハイクアップ                   ダケカンバ
  


 さらにこの尾根筋を上がると平標山の家から続く稜線上に出た。しばらく稜線上を平標山に向かって上がった。本日は仙の倉山に向かうので途中で平標山に上がることを止めて右側の山腹をトラバースした。

尾根筋を上がる                      平標山の家を下に見る                 仙の倉山
  


  夏道のロープや杭が雪に埋もれている登山道に出た。仙の倉山方面に向かったトレースが一本付いていた。このトレースに従い夏道沿いに上がった。最初の小ピークを越えたあたりで単独の山スキーヤーが下りてきた。

  この小ピークを越えた2つ目の小ピークでトレースは無くなっていた。どうやら先ほどの山スキーヤーはここで引き返したようである。これから先はトレースは無い。この小ピークを注意しながら下り鞍部から目の前のピークを上がり切ると仙の倉山の山頂であった。


仙の倉山へ最後の上り                  平標山。後ろは苗場山と神楽ヶ峰           浅間山
  


  いつも見える頂上の標識はエビのしっぽが付いている雪の塊に覆われていた。快晴無風で頂上でも風は無い。周囲の山々の眺望が素晴らしい。特に目の前に見える万太郎山が立派だ。周囲の山々を見ながら昼食と水を取りゆっくりと休憩。平標山にはあれだけ大勢の人が上がったのに、仙の倉山には誰もやって来ない。やはり2月は適期で無いのだろうか?

       万太郎山。左後方に谷川岳、さらに燧ヶ岳。  右後方に武尊山、さらに日光白根山
      


  長い休憩の後、北側の尾根筋を滑り降り眼の前に見える小ピークに達した。雪が風で締まっていてやや硬い。おまけに波打っていて凸凹で滑りにくい。出来るだけ平らで滑りやすい所を選んでゆっくり降りた。

越後駒ヶ岳                           頂上にて                        巻機山方面
  


  立ち止って右側の広いシッケイ沢を上から眺めた。雪が締まっていて雪崩の恐れは無い。初めはかなりの急斜面。雪が締まっているが波打って凸凹状態。しかし、尾根筋よりは雪は軟らかいので恐怖感は無い。出来るだけ滑り易い平坦な所を選んでショートターンで急斜面を滑り降りた。

波打った上部斜面を滑り終えて             中間部の快適斜面                    仙の倉山を仰ぎ見る
  

  下るにつれて雪は凸凹が無くなり柔らかくなって滑り易くなった。右側に見える斜面に着いた風紋が陽に映えて美しい。中間部以降は谷筋がやや狭くなってきたが傾斜は緩くなる。やや重いパウダースノーで快適な滑りとなった。適当にターンをしながら滑り降りて毛渡沢の出会いの手前で大休止。行動食を取り水を飲んだ。

斜面の風紋が美しい                                  下部沢筋を滑る
    



  毛渡沢沿いの下りは緩斜面となる。適当に右岸、左岸を選んで通過しやすいルートを選びながら進んだ。気温が高くなったせいで雪は重くなり一部下りラッセルとなり、予想以上に時間がかかった。最後にスノーブリッジを利用して左岸に渡り、杉林の中を進んで目の前に群大ヒュッテが見える仙の倉谷に出た。スノーブリッジを利用して仙の倉谷を渡り左岸に出た。

シッケイ沢を下部から仰ぎ見る              群馬大ヒュッテ前の立派な橋            林道沿いの小屋に積もった雪
  


 上を見ると立派な橋がありその先には平標山が仰ぎ見えた。毛渡沢と仙の倉谷の合流部に以前架かっていた吊り橋は無くなっていた。板を外してワイアーだけになったつり橋を渡るのが恐かったが、このつり橋が上の橋に置き換えられたのだろうか?。

  ここから先はスノーシューのトレースが続いていた。ボードで平標山から西ゼンを下り緩斜面はスノーシューで下ったのだろうか?。このトレースに付いて下ったが、スノーシューの歩き方はスキーで滑るのとコース取りがやや異なる。スキーではわずかでも登るのが大変なので時々このトレースを外して滑り降りたりしたが下りラッセルとなる。

  予想以上に時間がかかり、毛渡橋のある道路沿いの登山口に到着したのは、日没直前の6時頃であった。結局、シッケイ沢を下りてから毛渡沢を下るのに3時間半かかってしまった。

  その後、タクシーを呼んで湯沢駅まで行き、6時40分発の浅貝行きのバスに乗り平標登山口で下車して車を回収。朝あれほど沢山駐車していた車はすべていなくなっていた。

  後形付けして月夜野経由の関越で帰宅したが、渋滞が沼田の手前から始まっていたのには驚いた。結局自宅帰着は10時過ぎとなってしまった。


GPSトラック (赤は登り、青は下り。群大ヒュッテ以降の下りは省略)