五竜岳 (2814 m)  条件が悪く頂上手前 2655m地点で引き返す


   五竜岳は無雪期の夏には2度ほど訪れたことがあるが山スキーでは行ったことが無かった。一昨年、昨年のGW前後の山スキーで槍ヶ岳、穂高岳方面に同行したRSSAの佐藤さんと今年は2人の都合がついた5月6,7日に五竜山荘に宿泊し五竜岳を目指すことにした。

   五竜山荘はGW中の6日までの宿泊が可能であった。また、五竜岳に上がるために五竜スキー場のゴンドラ、テレキャビンを利用してスキー場トップまで上がる。スキー場は当初は6日までの営業予定あったが11日まで営業を延長する事になったので、帰りもテレキャビンを利用して下ることが可能になった。

   幸い好天に恵まれたが、寒気が近づいたので上部は風が強い上に雪面は固く山頂まで上がることはあきらめて引き返した。また、頂上付近から滑り降りる急斜面のA沢、B沢とも大きな縦溝がありとても滑れる状態では無かった。

   山荘から下るシラタキ沢の源頭部を滑り降りたが、雪面がやや硬く波打っていたが滑りには問題無くそれなりに楽しめた。また、西遠見山からスキー場トップまでの遠見尾根は今年は雪が少ない様で雪が切れている箇所が数か所あり、スキーを担いでの歩きとなった。

   GW最終日と終わった直後で、さすがに登山者、山荘宿泊登山者はは少なく静かな山行を楽しめた。

    
  
5月6日(火) 晴れ 弱風

   2人 (RSSAの佐藤さんと)

登行高度:905 m、 (実質登行高度:1305 m、 下降高度:400 m) 

五竜スキー場トップ(9:45)-小遠見山(11:20)-中遠見山(11:50)-コル(12:05〜12:30)-大遠見山(13:10)−西遠見山(14:15)-五竜山荘(15:25)
   

   前夜、神城にある民宿に佐藤さんとともに宿泊。朝食後、2台の車で、まず白馬47スキー場に向かった。スキー場下部は雪が解けていたが、リフトは動いており、スキー場は営業していた。駐車場にはかなりの車が駐車しており、最後のゲレンデスキーを楽しむ人が大勢いた。

   佐藤さんの車をここの駐車場に停めてデポ。自分の車に佐藤さんの山スキー用具を載せて佐藤さんとともに五竜スキー場エスカルプラザに向かった。こちらも大勢のスキー客がいた。山スキーの準備をして、登山案内場で係りの人から話を聞いて登山届を出してテレキャビンに乗った。さらに、リフト一本を乗り継いでゲレンデトップに出た。

   シールを張った後、スキーををザックに付けて雪が解けた地蔵の頭に上がり尾根伝いを歩いてコルまで下った。ここから雪が出て来た。雪の無い尾根伝いを歩くので無く雪のある南面をトラバースしてシール歩行をした方が良かった。コルから上がった所が一之瀬髪。以前、一月に来たときには雪に覆われていたが、今は雪が解けていて全く雰囲気が異なる。


  地蔵の頭(雪が解けている)                          一の瀬髪
       

   一時間半かかって小遠見山に到着。頂上の横をトラバースして行けば良かったが、雪の解けた小遠見山の頂上にスキーを担いで上がった。さらに、わずかな距離で中遠見山。正面に見える五竜岳、左手に見える鹿島槍ヶ岳、さらに右手遠方には白馬三山の雄姿が素晴らしい。


   八方尾根の後ろに白馬三山                            鹿島槍ヶ岳北壁
      

   中遠見山も上の尾根筋は雪が解けていてスキーを担いで通過。下ったコルで昼食の休憩を取る。広くてやや平坦な大遠見山を越えて西遠見山に出た。小遠見山から西遠見山に至る遠見尾根はアップダウンが多く歩いた割には高度を稼げていない。


   火打山、金山                                     妙高山
        

  西遠見山からわずかに下り白岳の南面をトラバース気味にシラタキ沢源頭部を上がった。遠くから見た時はとてもシール歩行など出来そうもない急斜面に見えたが何とかトレースに従いシール歩行を続けた。雪がやや硬くスリップし出したのでトレースから外れて急斜面をジグを切りながら何とかシール歩行で乗り越えた。

   五竜岳を正面にみながら進む                         シラタケ沢源頭部
       

   傾斜が緩くなった所で最後のシール歩行で五竜山荘に到着。下から5時間半以上かかった。宿泊を依頼しビールを飲んで歓談。山荘から五竜岳の北面側を見ると雪が緩んで条件さえ良ければ滑降が可能の所が多いようようである。今日の宿泊客は全部で4名。

    
     五竜山荘に到着                               通って来た遠見尾根を振り返る
        

 5月7日(水) 晴れ 朝やや強風、後無風

   2人 (RSSAの佐藤さんと)

滑降高度:960 m、 (実質滑降高度:1270m、 登行高度:490 m、 歩行下降高度:180 m) 

五竜山荘(6:30)-五竜岳2655m地点(7:05)-五竜山荘(7:40〜8:25)-大遠見山(9:15)−中遠見山(10:25)-小遠見山(10:55)-テレキャビン乗り場(12:05)

   
朝食後、スキーと余分な荷物を五竜山荘の入り口に置き、アイゼンを付けてピッケルを持参しスティックで五竜岳頂上を目指した。気温が低く風がややあり寒い上に雪面が固い。先行者のトレースを辿り慎重に歩を進めたが、急斜面のトラバースでは緊張する。


   五竜岳北面をバックに                               五竜岳西北面の餓鬼谷源頭部
      


   だんだん斜度がきつくなって来た。先行者が急斜面上で苦労しているのが見えた。風が強いし雪面は固いし滑落の恐れが有るのでこれ以上上がるのは危険だし、頂上に上がるのが最終目的で無いので2655m地点で引き返すことにした。

   先行者も頂上手前の急斜面で引き返した。固い雪面の上に昨日積もった少量の雪が乗っていてスリップし易い状態で危険なので引き返したとの事であった。やはり山は安全第一である。

  山荘に戻って荷物を詰めてスキー滑降開始。シラタキ沢源頭部はやや急斜面で雪面はやや硬く波打っている所もあったが滑りには問題無い。ターンを繰り返しながら滑り降りた。

   滑り降りたシラタケ沢源頭部を仰ぎ見る                     滑り降りた遠見尾根
        


   カクネ里出会いまでシラタキ沢を滑り降りてから遠見尾根まで上がる案も考えたが、雪が少ないので割れている可能性があり登り返しが大変なので、おとなしく登りの尾根ルートを辿って戻ることにした。

  西遠見山をトラバース中に立木を避けようとした時に片方のスキーが引っかかって外れた。このため20〜30m谷底の方に滑落した。やや硬い雪面のやや急斜面で止めようとしても止まらない。幸い途中に岩や立木が無く傾斜緩くなった所で止まり何とも無かった。スキーを持って壺足で上がり、ほっと一息ついてから滑降を続けた。

   中遠見山から見る鹿島槍ヶ岳                           スキー場から振り返ってみる五竜岳
      


  尾根筋で雪が無い所は出来るだけトラバース気味に尾根の下を滑り下りたが、やはり中遠見山から小遠見山にかけてはスキーを担いで歩かざるを得ない所もあり結構時間がかかったが、五竜岳、鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳、白馬三山を眺めながらの下りは気持ち良い。

  小遠見山からは緩みすぎた雪となったが林間の下りを楽しめた。降り切った所で地蔵の頭をトラバースしてスキー場に戻った。ここで、ゆっくりと昼食の休憩を取った。リフトはアルプス平の一機のみが動いておりゲレンデスキーヤーが結構大勢いた。他のゲレンデは上部に雪があるものの閉鎖していた。

   ゲレンデを滑り降りて五竜テレキャビンに乗り駐車場に戻った。その後、営業を終了した白馬47スキー場の駐車場に行き佐藤さんの車を回収。日帰り温泉で汗を流した後、佐藤さんと別れて帰途に付いた。


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