巻機山 1967 m

   巻機山は日本100名山に一つで1960年代後半に研究室の後輩でワンゲルOBだったFさん、Iさんと同行して山スキーに行ったことがある。その後、単独で何回か山スキーで訪れている。清水集落から標高差1300m以上あるが日帰りで豪快なう山スキーが楽しめる。

   前日の柄沢山スキー行の翌日の日曜日も好天と言う気象情報で巻機山に行くことにした。前夜は以前泊まったことがある民宿の運天に宿泊し、早朝出発することにした。

   朝方は気温が下がったので雪面はやや硬かったが、日中は快晴無風で気温が上がり、ザラメ雪のスキー行を楽しむことが出来た。途中の井戸の壁も雪が十分あり、やや木が密に生えているものの小回りターンでスキーを外すことなく滑り降りることが出来た。やはり巻機山は山スキーに良い山である。


  
4月13日(日) 快晴無風、暖かい

   単独

登行高度:1510 m、 滑降高度:1510 m 

清水道路際(6:20)-にせ巻機山、9合目(10:30)-巻機山(11:30〜12:20)-米子沢源頭部1750m地点(12:30〜12:45)-にせ巻機山(13:10〜13:35)−清水道路際(14:30)

   

  朝5時20分に起床、簡単な朝食を済ませて山スキーの準備をして民宿旅館、運天を出た。歩いてすぐの道路際からシールを付けてハイクアップ開始。道路際にはすでに何台かの車が停まっており、先行者がいるようであった。既に何度か通った除雪されていない道路沿いのルートであるが、前日のトレースが沢山付いており迷うことは無い。

  朝早いため雪面はやや固いが、緩斜面なので逆に歩行しやすい。米子沢を渡る橋も雪が十分残っておりスキーを外す事無く渡り、緩斜面を進んだ。山スキーの単独先行者、壺足の単独先行者を追いかけて樹林帯の井戸の壁を上がって行った。

  雪面がやや硬く斜面が急になりだしたところでシール歩行が困難になったので、スキーをザックに付けて担いで壺足で直登した。途中でシール歩行を続けていた2人の山スキーヤーを追い越した。彼らも結局はスキーを担いで歩いたようである。

目の前の井戸の壁を目指して進む          井戸の壁を登り切った尾根から見る米子沢      広い疎林の尾根筋を上がる
   

  井戸の壁を上がり切って尾根筋に達した所で休憩。暑くなって来たのでアウターを脱ぎ水を取る。目の前の米子沢の様子を見ると一部デブリが出ているようだが滑降には問題無さそうである。休んでいる間に追い越して来た山スキーヤー2人と壺足の登山者が上がって来た。

  ここから先の広い尾根筋はブナの疎林の緩斜面が続き雰囲気の良い所である。快調にシール歩行を続けて行った。昨夜、上でテント泊をしたと言う登山者が下りてきた。

  目の前ににせ巻機山が見える無立木の広い斜面を上がり切るとにせ巻機山に上がる急斜面となる。はるか先を先行者がスキーを担いで上がっていた。

  急斜面の手前ではもう一人の先行者がスキーを担いでアイゼンを付けて上がりだした。自分もスキーを担いでこの先行者の後について登って行った。急斜面を上がり切ってにせ巻機山に続く広い尾根筋の斜面を再びシール歩行。尾根筋は思ったより長くて疲れを感じたが、ようやくにせ巻機山に到着。ここで先行者に追いついた。

にせ巻機山から見る割引岳、クラックが入っている   昨日登った柄沢山 、朝日岳             にせ巻機山山頂標識
    

  しばらく休んで周囲の山々を眺めた後、シールを付けたスキーを滑らせて巻機山山頂に続く鞍部まで下った。そこから、緩斜面をシール歩行を続けて行った。

  途中パラグライダーを付けてスキー滑降を試みる人がいた。パラグライダーは開いたが風の方向が悪かったせいか上に上がらず失速してしまった。この人がはるか先にいた先行者だろうか?わざわざ、スキーとパラグライダーを担ぎ上げるとは物好きもいるものだと感心。

巻機山山頂を目指して行く                巻機山山頂にて。新しいスキーを持って        巻機山から見る越後駒ヶ岳
    


  山スキーだって苦労して上に上がるのだから物好きの部類。下から頂上まで5時間ちょっとで上がった。頂上は誰もいなったが、その後続々と山スキーヤーが上がって来た。平坦で広い頂上付近はブッシュが出ていたが雪は多い。

   快晴無風で暖かい。周囲の山々を見ながら長い休憩を取った。昨日が上がった柄沢山が目の前に見える。お湯を沸かしカップラーメンの昼食を取った。

   長い休憩の後はシールを外して頂上で休んで話をした人にお先にと言って滑降開始。これまで滑っていなかった頂上から左手の米子沢源頭部の右俣の急斜面を滑り降りた。米子沢源頭部の左俣と合する付近で滑降停止。

米子沢源頭部右俣を滑る                 米子沢源頭部右俣下部               にせ巻機山を目指して左俣をハイクアップ
    

   米子沢を下った先行者のトレースが一本付いていた。米子沢をこのまま滑り降りようかとも思ったが、これまで米子沢を下まで滑った事があるので止めて、シールを再びつけて登り返してにせ巻機山に上がることにした。

   再びにせ巻機山に上がると4人のグループが休んでいた。しばらくすると彼らは米子沢を滑り降りて行った。自分もシールを外して滑降開始。尾根筋を滑り降りたが行き過ぎたようで急斜面にある大きなデブリを避けながら右寄りにトラバースして無立木の広い斜面に出た。後はターンを適当に繰り返しながら楽しい滑降。斜度もほどほどで緩んだザラメ雪が滑り易い。

せ巻機山から見る滑り降りてきた米子沢右俣      柄沢山                         にせ巻機山からの尾根筋の滑降ルート 
    

    ブナの疎林帯の広い尾根筋をを滑り降りて井戸の壁の急斜面となった。やや木が密で滑りにくいが適当にショートターンを繰り返して滑り降りた。降りた所で、先行の山スキーヤーに追いつき少し話をした。

疎林の広い尾根筋を滑り降りる              井戸の壁はやや急斜面で林が密になっている    米子沢にかかる橋を渡る
    

    後は樹林帯、さらに緩斜面を滑り沢にかかる橋を渡り、林道沿いを滑り降りて出発点の道路際に到着。にせ巻機山から一時間もかからなかった。

    直ぐ近くにある泊まった運天に戻り宿の支払いをし、お茶を飲みながら宿のおかみさんと事故で亡くなった先代のかあちゃんの話などをした後、帰途に付いた。


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