白馬乗鞍岳 2437m蓮華温泉

   蓮華温泉は白馬岳北方の山中の温泉で冬季は休業し3月下旬から営業を始める。栂池高原スキー場から天狗原を経由して山スキーで行ける。良い温泉だし、途中のコースが素晴らしいので、1970年代から毎年のように3月下旬から4月上旬にかけて訪れている。

   今回は森野さんが企画された4月5,6日に蓮華温泉にいくRSSAの4月例会に参加して蓮華温泉に行くことにした。直前の気象情報では寒気が近づいていて5日の土曜日は晴れ間があるものの6日は雪で気温が低い。

   当初の予定は6日は蓮華温泉から船越の頭から金山沢を滑り降りて猿倉を経て二股に至るコースであったが、安全策を取り平岩に下ることになった。4日から5日にかけて新雪があり、さらに6日に降雪があり寒気の接近で気温が低かったので、この時期としては珍しいパウダースノーの滑りを楽しむことが出来た。


  
4月5日(土)曇り時々晴れ、風がやや強い

   5人 (RSSAの4月例会山行)

登行高度:820 m、 滑降高度:1175 m 

栂池ロープウェー終点(9:20)-天狗原(10:35)-白馬乗鞍岳(11:50〜12:15)-天狗原北西2203m地点(12:30〜12:40)-白馬乗鞍岳北東2395m地点(13:20〜13:40)-天狗原北西2187m地点(13:50〜14:05)−蓮華温泉(15:05)

   

  前夜8時過ぎに栂池高原に付き駐車場近くの民宿に宿泊。7時前に朝食を済ませて駐車場に車を移動させた。夜のうちに10cmを越える雪が積もっており車から雪を退けるのに時間がかかった。

  駐車場はすでにかなりの車が停まっていた。7時半に集合予定であったがほぼ時間通りに本日の参加者5名がそろった。、登山届を出してゴンドラ、ロープウェーを乗り継いでロープウェー終点に到着。バックカントリーに出る注意事項の説明を聞いてからシールを付けてハイクアップを開始。すでに先行者がかなりいるようで、トレースに従って上がった。

  正面の天狗原や白馬乗鞍岳は見えるものの、白馬岳などは雲に隠れて見えない。雲が多いものの青空も見えて薄日もさして来た。夜のうちに20cmくらいの降雪があったようだが、気温が低いので軽い雪である。途中先行者を追い越して進み1時間ちょっとで天狗原に到着した。


          天狗原の祠                             白馬乗鞍岳山頂の大きなケルン
       


  数名の先行者が休んでいたが、正面の白馬乗鞍岳に上がっている人は見えない。我々は衆議一決して休まずに白馬乗鞍岳に上がることにした。初めは真ん中についてハイクアップをしていたが、上に上がるにつれてトップになり大きな3角形の石積みのある頂上に到着。船越の頭も雲に隠れて見えない。風が強く寒い中を後続のメンバーが来るまで待った。

  是認が揃ったところでシールを外して滑降開始。最初の緩斜面は固い雪面であったが東面の急斜面になると新雪のの滑り易いパウダースノーとなった。天狗原北西地点まで滑り降りた。まだ時間があるしパウダースノーの滑りをもう一度楽しみましょうと2度目のハイクアップ。一回目とは反対側の右手の尾根筋をハイクアップして山頂から続く台地上の2395m地点に到着。ここからノートラックの斜面を各自滑りを楽しんだ。

    白馬乗鞍岳東斜面を滑り降りる牧野さん                     滑り降りたトレースを仰ぎ見る
        


  天狗原北西地点に全員が揃った後、蓮華温泉を目指して振り子沢を滑り降りた。谷筋もやや重いながらもパウダースノーで滑り易い雪であった。


振り子沢上部を滑る                     振り子沢上部を振り返ってみる             振り子沢上部
  

   途中休憩を取らず、他のグループを追い越して1時間で蓮華温泉に到着。天気予報が悪かったので客は想像していたより少なかったが、それでも、結構大勢いた。

                    蓮華温泉に到着して
                 

  宿の部屋に入りビールを飲み、温泉に入りのんびり過ごした。

  蓮華温泉に至る道路に出る直前の谷筋でスキーの先端が木にぶつかって鈍い音がした。当った所と当る方向が悪かったのだろうが、ほとんどショックは無かったのにスキーが折れてしまった。軽さを追求したスキーでもともと弱いし、長い間酷使したので疲労破壊があったためであろうか?幸いエッジも底も上も折れておらず中心材だけが折れたようであった。無理をしなければ何とか使用できる。蓮華温泉に着いてから折れた個所の上部にテープを何重も張って補強した。これで明日一日くらいは持ってくれるだろう。

  


 4月6日(日)曇り後雪、風がやや弱いい

   4人 (RSSAの4月例会山行)

登行高度:120 m、 滑降高度:1110 m 下降歩行高度:210 m

蓮華温泉(7:50)-角小屋峠(9:45〜10:10)-木地屋(12:00)-大所(12:30)-平岩(13:20)

  朝5時に起きて温泉に入った後6時から朝食。朝は薄曇りで朝日岳などは見えていた。本日は天候が崩れると言う予報だし、雪崩の恐れもあるので当初の予定を変更して角小屋峠を経て平岩まで行くことになった。牧野さんは延泊されるとの事で残った。4人でゆっくりと支度をして蓮華温泉を出たのは最後になった。

 途中、先行のグループを追い越して行き角小屋峠に到着する頃には先頭になった。ラッセルがきついだろうと予想していたが、気温が低いので1昨日降った雪も軽い雪で問題にならない。

            正面の角小屋峠を目指して行く。雪が振り出し、その後激しくなった。
           

  角小屋峠に上がる急斜面の手前から雪が激しく振りだして来た。見通しも悪くなってきたので、角小屋峠を下りウド川沿いを慎重に滑り降りた。後は林間の緩斜面を標識に従い滑り降りた。雪が思った以上に軽く滑りを楽しめた。

  
途中ほとんど休むことなく滑り降りた。木地屋の手前まで道路は除雪されていたが、新たに降り積もった雪で何とかスキーを外さず木地屋まで滑り降りることが出来た。

   木地屋からスキーを担いで道路上を200〜300m歩いた後、道路右手の杉林の中をスキーで滑り降りて最後は川沿いの除雪されていない旧道を滑って大所に到着。大所からスキーを担いで雪の降る中を平岩まで歩いて下った。大所まで滑り、それから平岩まで歩いて下ったのは30年以上前には何度か経験したが、久しぶりで懐かしくもある。

   平岩駅で25分待って南小谷行き電車に乗り、南小谷よりタクシーで栂池高原まで戻り解散。白馬で日帰り温泉に入り帰途に付いた。

   折れたスキーもどうにか持ってくれて滑りには支障は無かったし、今年も蓮華温泉に行くことが出来た。

   蓮華温泉の宿主の田原さんも世代交代して息子さんがやっておられて時の流れを感ずる。田原さんから「今年はお仲間と一緒ですか」と言われて、「身体が続く限り来ますので今後もどうぞよろしく」と話したが、いつまで行けるだろうか?


GPSトラック (角小屋峠まで)