北八ヶ岳山域 (丸山) 2330m

   北八ヶ岳周辺は斜度は緩いがシラビソ、コメツガなどの樹林が続き、スキーでの雪中ハイキングを楽しむには格好のサイトである。滑りを楽しむにはやや物足りないが歩くスキーも楽しい。15〜20年前の2〜3月下旬には3,4年続けて毎年のように営業している山小屋に宿泊してスキーでの雪中ハイキングを楽しんだが、ここ15年一度も行っていなかった。

   15年前以上の事を思い出して、蓼科山にスキーで上がった翌日、北八ヶ岳周辺のスキーによる散策を計画した。このため、前日のうちにピラタススキー場のロープウェーに乗ってスキー場トップまで上がり、わずかな距離で行ける縞枯山荘に宿泊した。

  縞枯山荘はスノーシューの登山者の宿泊が多かった。全部で20名くらいだろうか?明日は月曜日なのでほとんどが高齢者であった。

   夜のうちに深雪が10cm位積もったようで殆どのトレースは消えていた。所によっては20〜30cmの新雪があったが気温が低いためさらさらの軽い粉雪でラッセルはそれほど大変で無かった。

   朝方は見えていた太陽も見えなくなり雲が出て来て昼ごろには本格的な雪となった。おまけに気温が低く寒かったが、予定のルート辿ることが出来た。

  
3月10日(月)薄曇り後雪、気温低く風強
   単独

登行高度:490 m、 滑降高度:960 m (ゲレンデ内を含む)

縞枯山荘(7:00)-林道分岐点(7:25)−雨池(8:40〜8:45)-麦草峠(10:10)-丸山(11:30〜11:50)-麦草峠(13:00)-国道分岐点(13:40)-ピラタススキー場トップ(15:10〜15:30)-スキー場下部(15:45)
   

  縞枯山荘で朝6時30分からの朝食を終えて山スキーの準備をして出た。薄曇りだが風が強い。ヒールフリーにしてシールを付けずに緩い登りの雨池峠を越えて樹林の中を下り林道に出た。

縞枯山荘                           縞枯山                          雨池峠を下る
   

  双子池方面は危険なので林道の通行禁止の看板が出ていた。条件が良ければ双子池から大河原峠まで行き竜源橋まで下るルートも考えていたが取り止め。新雪が乗っていて所々昨日のものと思われるトレースがうっすらと残っていた。そのトレースをついて雨池の方に向かった。

  雨池には林道の途中から行けた記憶があったので、左側の緩斜面の樹林の中を下って行った。しばらく緩斜面を滑り降りたが樹林の中は雪が深くラッセルがきつくなってきた。GPSを見ると少し方向も異なるようであった。やはり林道沿いに行った方が良いかなと思い直して、シールを付けて引き返して再び林道に出た。
  しばらく林道を歩いて雨池に至る分岐点に出た。折角だから雨池にも立ち寄って見ようかとうっすらと残っているトレースと標識に従い雨池に向かった。15年以上前に来た時の雨池の光景を思い出して満足。

雨池                              麦草峠に至る樹林帯を行く             麦草ヒュッテ
    


  引き返してしばらく林道を進み、麦草峠に至る分岐点から樹林の中を麦草峠に向かった。麦草峠から雨池の方に進んだ以前の記憶から予想していたよりずっときつい。雪が降り出してきて寒い上、新雪が積もっていてトレースがほとんど消えてラッセルとなっている。おまけに雨池から麦草峠までは緩いが登りが続いている。
 
   雪が引っ切り無しに降りだして来た。やっとのことで麦草峠に到着。麦草ヒュッテで一休みするかこのままロープウェーの方に帰るか考えたが、まだ時間が早い。うっすらとスン―シューのトレースが丸山の方に向かっていた。今朝上がったトレースのようであった。このトレースに従って丸山の方に向かった。初めは無立木の斜面であったが、樹林が濃くなってきた。小さなピークを越えてやや下った後、結構きつい登りとなった。

   急斜面の登りでは山スキーではスノーシューと同じように上がれない。一部深い雪の中をジグを切って上がりようやく頂上近くの緩斜面となりしばらく行くと高見石の方に行く下りとなった。ここでザックをおろし休憩。樹林の中で風も弱く雪が小やみになっていた。おにぎりの昼食を食べ、シールを外して滑降開始。初めは緩斜面で登りのトレースを取ったが、直ぐに斜面は急となり樹林も濃くなってくる。登りのトレースを外れて樹林の間を滑り降りた。

   雪は足首から膝下まであるが軽い雪で滑り易い。狭い樹林の中を適当にターンをしながら下りたが樹林の薄い右側に向かってしまった。樹林が切れる無立木のやや広い斜面の上に出た。下まで30度くらいの斜度で100mくらいの高度差がありそうである。

    雪崩が怖いのでその斜面の左端の樹林近くをショートターンで滑り降りた。膝下くらいの軽いパウダースノーで非常に滑り易い。あっという間に滑り降りて下部の緩斜面になった。GPSを見ると白駒池と麦草峠の中間にある登山道に出ることが分かった。しばらく行くとうっすら残っているトレースが見つかった。

    積もった新雪は軽くちょっとした登りでも滑ってしまう。シールを付けてわずかな登り下りを繰り返して樹林帯を抜けて麦草峠に達した。雪が激しくなり見通しも悪くなってきた。

    国道を滑り降りると反対方向からスノーシューの単独行の人、次いでクロスカントリースキーの2人連れが上がって来た。彼らは麦草ヒュッテに泊まるのであろうか?

    途中、コケモモの丘と言う方向に向かいかけたが雪が深くトレースが消えていたので引き返して更に国道を下りロープウェーと標識が出ている所で右手に取った。

   雪はかなり激しくなり先ほど通ったであろうトレースも消えかかっていた。樹林の中ではトレースは残っていたが、下枝に積もっていた新雪がたびたび降りかかってきた。傾斜は緩いが登りが続いた。雪が降り続いて寒くて途中休憩する気も起らない。反対方向からスノーシューの3人連れがやってきた。

   疲れた体を鞭打って進み出会いの辻、5辻を過ぎてやっとロープウェーの乗り場に到着。ロープウェー乗り場の人から丸山の下りは北東の諏訪側に下ると、直接ロープウェーの方向に向かう国道の分岐点の近くに出ることが出来ると教えられた。地図を見て納得。

  しばらく休憩し、2階にある八ヶ岳、蓼科周辺の写真展を見てから、シールを外して雪が降り続く中スキー場を滑り降りた。やはり整備されたスキー場のコースを滑るのは楽である。

   駐車場に止めてあった車は雪に覆われていた。雪を払い落としてから帰宅に付いた。


GPS トラック