白馬岳: 2号雪渓を滑る (2932 m) 


  
前日はRSSAの5月例会で蓮華大沢右俣を滑ったが本日は各自が自由に行動。昨年は白馬岳に行って無かったので白馬岳に行くことにした。午前中は天気は良いが午後には天気が崩れてくるという予報で出来るだけ早立ちして頂上まで上がり、状況によって白馬沢右俣、大雪渓、あるいは可能なら2号雪渓を滑りおりてみようと出掛けた。

  幸い雪が緩んでいたのとシーハイルのグループが同時に2号雪渓にエントリーしたので安心して滑り降りることが出来た。出だしの急斜面が厳しかったのを除けば
快適な急斜面が大雪渓まで続き、雪質も滑り易いザラメ雪で滑りを楽しめた。

  予報では、午前中は晴れるが午後は天気が崩れるという事だった幸い午後まで天気は持ってくれた。これで、心置きなく今シーズンの山スキーを終えることが出来る。

   5月26日(日)晴、風弱し

   単独

登高高度:1700 m、滑降高度:1550 m、 歩行下降高度:150 m

猿倉(6:50)−白馬岳(12:00〜12:50)−大雪渓出会い
(13:30)-スキー滑降終了地点(14:05〜14:15)-猿倉(14:30)

  木崎湖温泉の民宿を朝食抜きで朝早く出ることにしていたが、前夜の宴会が遅くまであり結局5時半に起き準備して宿を出たのは6時。村石さんも白馬方面に出掛けると言うことで同時に起きて出られた。

  6時半前に猿倉の駐車場に着いた。すでに多くの車が駐車しており、山スキーの準備をしている人、すでに出発している人がいた。簡単な朝食を取り、準備して7時前にスキーを担いで歩き出した。村石さんとほぼ同時に出発したが彼の足の速さに付いていけない。

   始めのうちは登山道に所々雪が残っている程度であったが、長走沢出会い付近から雪が繋がってきた。そのまま壺足で上がり1時間足らずで白馬尻に到着。ここで、スキーにシールを付けてシール歩行に切り替えた。

   白馬岳                                            白馬沢右俣
       

   順調にシール歩行を続けて大雪渓を上がった。一か月前の雪崩の後のデブリはすっかり柔らかくなってなだらかになっていた。天候は快晴で風も無く暖かい。シャツ一枚になって歩を進めた。

   先行のグループを追い越して傾斜が急になる小雪渓手前の2200m地点で小休止。行動食と水を取るとともにスキーをザックに付けた。兼用靴にアイゼンを付けて先行者のトレースに従い急斜面を上がった。

  大雪渓を上がる                                    大雪渓を上から見る                 
       

   ロープを張って下山してくる登山者のグループの横を上がって急斜面を上がり切った。先行のグループが休んでシール歩行に切り替えていた。自分もシール歩行に切り替えてハイクアップ。今年は雪が多いようで上まで完全に繋がっていた。途中で単独行の2人を追い越して上がり切り白馬山荘の手前に出た。ここまで猿倉から約5時間、やや疲れたがまあまあのペースであった。

  急斜面を担いで上がり休憩。ここから再びシール歩行              白馬山荘と旭岳
      


   ここで、スキーをザックに付けて担いで歩き白馬山荘を通り抜けて上がった。さすがに上の登山道は雪が解けていた。最後のつらい登りで頂上手前の松沢貞逸の碑の所から右に入り2号雪渓のエントリーポイントに到着。ほぼ同時にテレマーカーと女性の山スキーヤーがやってきて2号雪渓を一緒に覗き込んだ。

             2号雪渓を覗き込む                                  
               


   この2人と後から来た女性1人を含む3人の5人連れはシ―ハイルのグループで2号雪渓を滑り降りるとのことであった。エントリーポイントは雪庇が覆っていて左端から斜滑降でエントリーするしか無さそうだが急斜面で下に岩がある。ここを滑り降りるのは少しビビってしまう。

   一つ上の岩の間の谷筋を上がって見ると下まで雪が繋がっており、一番上は雪が崩れて階段状になっていた。その段上から横滑り気味の斜滑降でエントリーすれば行けそうである。そこからちょっと上がれば白馬岳の頂上である。


  2号雪渓のエントリーポイント(非常に急な斜面から入る)         2号雪渓の上部(急なエントリー部をクリアすれば後は快適急斜面となる)
     

   シーハイルのグループが順番にエントリーして急斜面を滑り降りて行った。テレマーカーの方が果敢に急斜面をターンしながら滑り降りるのを感心しながら見ていた。後で知ったのだがこの方がマチュラオさんであった。

   次に降りた方は急斜面でキックターンしようとしてバランスを崩して倒れスキー板が外れて急斜面を滑落したが雪が軟らかかったので途中で停止し事無きを得た。これを見て滑落しても大丈夫と分かり安心した。

   シーハイルの全員がエントリーする前に私もエントリーさせてもらった。初めは横滑り気味の斜滑降で入り、横滑りを少しやった後は急斜面をショートターンで滑り降りた。エントリーの部分だけが問題で後は快適な急斜面である。少し右側に行くと広い斜面となっていた。


             上部を滑り降りた後、上を見る             
        



  雪庇があるのでエントリーを止めた下部                   頂上側の右側のルンゼを滑り降りた
        


   ここで、シーハイルのグループにお礼を言い、後から一人ゆっくりと広い急斜面の滑りを楽しみながら下りた。途中で小休止して水を飲み昼食を取った。その後は右側の谷筋を降りて大雪渓に合流した。大雪渓では数名の山スキーヤー、ボーダーが滑り降りていた。

2号雪渓から下る中間部                 大雪渓まで後わずか                  下部から上を仰ぎ見る
  


   大雪渓はデブリの後が波打っていたり、土砂、落石、木片などが散在していて滑りにくい所を避け、端の出来るだけ雪面のきれいな個所を滑り降りた。白馬沢出会い付近も雪が豊富で白馬沢が完全に大雪渓に繋がっているのを見ながら雪に覆われた沢沿いを堰堤まで滑り降りた。

   大雪渓合流部                                        大雪渓を滑る
       

   スキーをザックに付けて担ぎ藪の間を少し上がって林道に出た。ここでスキーを再びつけて雪の繋がっている林道沿いを滑り長走沢を越えて少し行くと雪が切れた。ここでスキーは終了。少し休んでいると上からボーダー、山スキーヤーが次々と降りてきた。

               スキー終了地点から白馬岳を仰ぎ見る。雲が出だして来た。下部は新緑の季節
              

   スキーを担いで雪の消えた林道を15分ほど歩いて猿倉の駐車場に戻った。大勢の山スキーヤー、ボーダーが下りて後形付けをしていた。ここで、一か月前のGW前半に立山の室堂で同宿しともに行動したOさんと偶然に出会い挨拶を交わした。

   服を着替えて形付けをしている間に村石さんも戻って来られた。白馬から柳俣谷、三国境を経て白馬沢右俣を滑って来られたとのこと。この後、倉下の湯に入り、汗を流した後休んでいるとRSSAの田宮さんにお目にかかる。田宮さんは鑓温泉に行かれたとか。奇遇ですねと話をして別れ帰途に付いた。


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