蓮華岳: 蓮華大沢右俣を滑る (2798.6 m) 


  
今回はRSSAの5月例会でリーダーは吉田さん。針の木雪渓を上がり針ノ木峠を経由して蓮華岳に上がり蓮華大沢右俣を滑る計画。参加者はこの他に村石さんと牧野さんの全部で4人。強力な村石さんは扇沢を同時に出発したが先行して進んだ。自分と吉田さんはゆっくり(?)と上がった。牧野さんは遅れて扇沢を出発した。各自が自由に行動するのもRSSAらしいかも知れない。

  25日の土曜日は予報通り好天気無風で気温が高く暑かった。蓮華岳に上がり蓮華大沢右俣を滑るのは過去4,5回経験しているが、広くて急な斜面が標高差1000m以上続いて滑りを楽しめる。今回は下部の雪は緩んでやや重かったが、落石や木片がほとんど落ちていず吉田さんと同行した山スキーを楽しんだ。

  今回の記録は吉田さんのHPに記載されている。

   5月25日(土)快晴、風弱し

   2人(RSSAの吉田さんと)

登高高度:1400 m、滑降高度:1150 m、 歩行下降高度:150 m

扇沢(6:55)−針ノ木峠(10:20〜10:45)−蓮華岳
(12:15〜13:05)-スキー滑降開始地点(13:15)-針の木雪渓出会い(13:45)-スキー終了地点(14:05
-扇沢(14:30)

  前夜扇沢に行き市営駐車場にて車中泊。朝5時前に起きてあたりを見ると大勢の山スキーヤーが準備していた。ゆっくりと朝食を取り準備しているいるうちに集合時間の6時半近くになり、村石さんと吉田さんがやってきた。牧野さんはだいぶ遅れそうで3人で先に行くことにした。

  スキーを担いで兼用靴で扇沢のゲートを歩きだしたのは7時前。さすがに扇沢周囲は雪が無い。道路をショートカットして登山道を上がり、道路から林道に入り橋を越えるあたりから雪が出だしてきた。雪が繋がっていないので左岸の登山道を歩いて一番上の堰堤を過ぎた針の木雪渓の末端から雪が繋がっていた。

の堰堤までスキーを担いで歩く            堰堤を越えて針の木雪渓をシール歩行        蓮華大沢方面
  

   左手の蓮華大沢も雪が十分ありそうである。ここからシール歩行に切り替えた。昨年と比べて針の木雪渓の雪の状態は非常に良く登りも下りも快適そうである。針の木谷を滑ると言う村石さんは先に行ったが見る見るうちに差が広がって行った。私は吉田さんと一緒にゆっくりと上がった。ゆっくりと言ってもそこそこのペースで先行のグループの一部を追い越した。

   天気は快晴無風で暑くなりシャツ一枚で丁度良い。順調に進みマヤクボ沢の出会いの手前で小休止。行動食と水を取る。休んだ後、進んでマヤクボ沢の出会いに達した。大勢の山スキーのグループがマヤクボ沢を上がって行った。一方針ノ木峠に上がっているグループは登山者らしい。

   雪が緩んで登り易かったので針ノ木峠手前の斜面をシール歩行のまま上がって行った。3時間半で針ノ木峠に到着。針の木小屋の黒部側には先行の登山者のグループが休んでいた。我々もベンチに座りしばらく休憩。風が無く暑いくらいである。

         針ノ木峠を目指してハイクアップ                     針ノ木峠小屋を上から見る
            


   針の木谷側に滑り降りる谷筋も快適そうであるが雪が緩みすぎているようであった。登り返すのも大変なのでここを滑るのは止め、スキーを担いで稜線沿いを蓮華岳まで上がって行った。稜線上は所々雪が残っていたが、登山道が出ている所が多い。

   2754m峰を過ぎるとなだらかな砂礫の稜線となる。右側の雪面には針の木谷方向に滑り降りたトレースが一本見えた。姿は見えないが村石さんが滑り降りたものだろう。周囲の景色を見ながらのんびりと上がり登山道を進んだ。夏には周囲はコマクサの群生地が広がっている。蓮華岳の手前の雪の上にスキーをデポして登山道をわずかに上がり頂上到着。

    稜線から見る針の木岳                            蓮華岳頂上まで後わずか
        

 
   周囲の山々の眺望が素晴らしい。目の前に針の木岳、スバリ岳、その向こうに剣岳と立山、さらに右側に爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜、白馬岳、頸城山塊がちょこっと見える。左手には薬師岳、黒部五郎岳、さらに双六岳、槍ヶ岳が特徴的な穂先を見せている。

 鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳                   立山と剣岳                          槍ヶ岳
  

 
   陽が差していて暖かい。蓮華大沢の左俣あるいは針の木谷をを少し滑り降りてから登り返す案は止めて頂上でのんびりと昼寝。一時を過ぎたので下ることにしてスキーデポ地点に戻った。朝方出会った2人ずれの登山者が上がって来た。

                             頂上で記念撮影
                    


   スキーの準備をして蓮華大沢の左側に向かった滑り出した。雪は緩んでいたが滑り易い雪である。雪面の状態が良さそうな左側の谷筋を滑り降りた。広い急斜面の滑りは快適である。時々立ち止って休みながら、ショートターン、ロングターンを繰り返しながら滑り降りた。

華大沢右俣上部                     蓮華大沢右俣中間部を滑る吉田さん            上部を振り返る
  

   下部になると雪は軟らかくなり重くなったが落石や木片がほとんど見られずまずまずの滑りを楽しめた。最後は雪面が波打っている状態になり足が痛くなったが30分で針の木雪渓の出会いまで到達。後はスキーを滑らせたが2,3か所雪が切れている所がありスキーを外して何とか滑り降りた。

     蓮華大沢下部を滑る                            滑り下りてきた蓮華大沢右俣を仰ぎ見る
            

   これ以上スキーが無理なところでスキー終了。スキーを担いで歩いて下った。新緑の芽生え、2輪草の白い花、キジムシロの黄色い花を見ながら扇沢までわずかの歩き。

新緑の芽生え                       2輪草                          キジムシロ
  

   本日は針の木岳を滑ってきた山スキーヤー、ボーダーが大勢いたようであるが、蓮華大沢を滑ってのは我々だけであったようである。

   村石さんは針の木谷を2150m付近まで滑り降りてから蓮華岳まで登り返して蓮華大沢を滑ったとのこと。牧野さんは蓮華岳まで行かず赤石沢を滑ったとのこと。その夜は木崎湖温泉の民宿に泊まり4人で宴会、山スキー談義に花が咲いた。  
   
GPSトラック(蓮華大沢右俣を滑降中にGPSが誤作動したため不正確)