立山,剣岳周辺 (2792m峰、真砂岳:2860m)

   GW前半の27-29日に立山、剣岳周辺でこれまで行っていなかった別山沢、長次郎沢、内蔵助沢を滑ろうと計画を立てた。しかし、26−27日にこの時期としては異例な強い寒気が近づいたため気温が下がり山は大雪となった。そこで、すべて計画は変更しこれまで行ったことがあるが安全なルートを取った。新たに積もった雪でやや重いがパウダースノーの滑りを楽しむことが出来た。


  
4月27日(土)吹雪、風強し
   単独
室堂(10:45)-雷鳥荘(11:20)

   26日の夜、扇沢に向かったが途中からかなりの雪が降っていた。扇沢の無料駐車場に着き車中泊。朝起きると雪が降り続いている。気象情報では午前中は小雨、午後から曇りであった。
   雪が降っている中を行動する気が起こらない。しばらく様子見をしていたが、雪は止みそうもないので、室堂まで行って様子を見てからどうするかを決めようと準備して8時半発のトロリーバスに乗った。
   こんな天気でもツアー観光客が大勢いる。一方、スキーを持っていたのは自分ただ一人、他に登山姿の人が2,3名。スキーや登山の人は朝一番の7時半のバスに乗ったのであろう。
   室堂に着いたらスキーを持っている人、登山姿の人が大勢いた。しかし、外は吹雪で風が強く、視界が全く効かない。ここで、今日の予約をしてあった剣山荘をキャンセルし、代わりに近い雷鳥荘の予約の電話を入れた。
   しばらく様子を見ていたが天候は変りそうもないので、スキーにシールを付けて竹竿の道しるべを頼りに雷鳥荘まで行き部屋に入り、温泉に入って休む。吹雪は止みそうもなく今日の行動はこれだけ。


 
  4月28日(日)晴れ、風弱し
   3人
登高高度:1400 m、下降高度:1400 m

雷鳥荘(7:50)−雷鳥沢(8:00〜8:10)−別山乗越
(9:30〜9:55)-2792m峰(10:16〜10:22)-剣沢小屋(10:30〜10:55)-別山乗越(11:50〜12:00)-雷鳥沢2330m地点(12:25〜12:45)-真砂岳(15:05)-雷鳥沢(15:45〜16:00)-雷鳥荘(16:20)

  本日は昨日と打って変わった好天気。快晴無風で立山。大日岳が雪に映えて美しい。たまたま相部屋であったOさん、Yさんと行動を共にすることにした。若いOさんはスプリットボード、年配のYさんは山スキー。私を含め3人の登りの強さ、下りの滑りもそれほど差が無かったため、同行して楽しむことが出来た。

  朝食後、用意してまず雷鳥平を滑り降りテント場の横を通りて沢底に到着。今年は雪が多く沢はすべて雪で埋まっていた。シールを付けて先行のトレースに従い雷鳥沢の尾根筋を快調にハイクアップ。昨日の雪はかなり積もったが、風にパックされた上やや湿り気があるので粘着力がある。気温も低めで雪崩の心配は無いだろう。途中、いくつかの先行グループを追い越して別山乗越に一時間半かからず到着。さすがに乗越は吹き抜ける風があり寒い。

前剣岳、剣岳はその奥                    大日岳                            雪の大谷
    

  ここで、左手の尾根筋を上がり少し行った2792m峰に到着。ノートラックのやや急な斜面を剣沢を目指して滑降。ボードのOさんが直線的に滑った後、Yさんと自分が続いて滑り降りた。やや重いがパウダースノーが快適であっという間に剣沢小屋のある所に到着。

       八つ峰と後立山                                    別山と真砂岳、後ろが立山                         
             

  剣沢小屋は未だ雪に埋もれていて雪を掘り起こす作業を始めていた。風が無く暖かいので小休止。シールを付けて剣沢を別山乗越まで再びハイクアップ。快調に上がり一時間かからず乗越に到着。大勢の人が休んでいた。

         剣沢を目指して滑る                              剣岳を背に
           

  シールを外して雷鳥沢を滑り降りた。出来るだけ左側のノートラックの斜面を滑り降りて、途中から左側にトラバースして大走り尾根下部の2330m地点で休憩。風も無く暖かいので昼食を取った。

  ここから真砂岳を目指して大走り尾根をハイクアップ。ここも上がっている人が何人もいた。左側の谷筋はすでに滑り降りたトラックがいくつか付いていた。真砂岳の手前で、休んでいると言うYさんを残してOさんと2人で真砂岳を上がって行った。頂上の手前でスキーをデポして夏道沿いに上がったが、やや雪面が固い所もありアイゼンを付ければ安心だが、わずかな距離であったので緊張して通り過ぎた。

  そこを過ぎて稜線に達した。内蔵助谷カール方面は雪庇が大きく突き出ていた。内蔵助谷に雪庇の間からドロップし下部を滑り降りたトレースが一つ付いていた。登り返した様子が見えないのでそのまま下ったのだろう。

内蔵助カール上部と富士の折立             真砂岳頂上                          真砂岳からの谷筋を滑る
   

  昨日の雪が下部でどうなっているか分からない状態で滑り降りるとは大胆な人がいるものだと思いながら見ていたら、真砂岳の上から降りてきたガイドらしい人に他人のトレースについて雪庇に近づくなと注意を受けてしまった。安全のためそのトレースの途中で止めていたが、雪庇のかなり手前にクラックが入っていて新雪で覆われていた。

  真砂岳へのわずかな登りは緩斜面だが雪面が固くなった所もあり注意して上がり真砂岳2860峰に到着。周囲の景色が素晴らしい。眼下には雷鳥沢、室堂。正面には大日岳。真砂岳、別山の向こうに剣岳が頭だけ見えた。

  スキーをデポした地点まで戻り、シールを外して広い尾根筋を滑降。新雪が風でパックされている雪でやや重いパウダースノーだが滑り易い。待って休んでいたYさんのいる所に到着。

  3人そろって尾根筋から右手の沢筋に急斜面を滑り降りた。北面で雪は比較的軽滑り易い雪であった。谷筋に入るとトラックが沢山付いていた。そのまま谷筋を滑り降りて雷鳥沢下部に到着。

  シールを付けてキャンプ場の横を雷鳥荘までハイクアップ。疲れていたのでわずかな距離だがつらかった。部屋に入り温泉に入った。夕食時に同行した3人でビールで乾杯。今日は登りも滑りも頑張りましたね。お疲れ様でした。

  GPSトラック