蓮華温泉、天狗原 (2204 m)

   蓮華温泉は3月20日前後から営業している。積雪期は山スキーでしか行けないが、暖かい布団と食事そして良い温泉があるので、40年近くほぼ毎年のように出掛けている。晴れていれば山スキーコースとしては楽なコースであろうが悪天候になれば厳しい。かって遭難者が出たこともあるし、自分自身も非常に厳しかった思い出もある。

   昨年は行けなかったので、是非今年は行こうかと考えて4月12日に出掛けた。天候はあまりよく無かったが、翌13日は好天気が期待された。当初は、栂池から天狗原、白馬乗鞍岳、白馬大池、天狗の庭を経由して蓮華温泉に行く予定であったが、悪天候であったので予定変更で、天狗原から振り子沢経由で蓮華温泉に向かった。
   

  
4月12日(金) 雪、上部はホワイトアウト状態、風弱し

   単独

登行高度:380 m (105 m)、 滑降高度:735 m 、(105 m)   (    )はルートミスで余分に上り下りした高度差

栂池高原ロープウェー駅(9:45)-天狗原(11:00〜11:25)-親沢源頭部(11:40)-天狗原(12:10)-蓮華温泉(14:05)

   当初、前夜栂池高原の旅館に泊まろうかと思ったが問い合わせた所がいずれも本日は営業していませんとのこと。栂池高原の近くで車中泊し、7時過ぎにゴンドラ前の駐車場に到着。

  山スキーの準備をしていると、12月に白馬乗鞍岳に上った時途中まで話をしながら同行した川崎のYさんにお目にかかる。奇遇ですね、一緒に行きましょうかと、2人してゴンドラに乗り込んだ。

  下部では天候はそれほど悪く無かったが、ゴンドラ駅の上では雪が舞っており視界が良くない。Yさんはこのような天候では行くのは止めますとのことで、結局一人で行く。

  天候はあまり良く無かったが上まで行く人は結構多い。小雪がちらついておりガスがかかっていて見通しは良くない。先行者のトレースに従ってハイクアップ。順調に上がって1時間15分で天狗原に到着。

                天狗原のお宮
               

  ガスがかかっていて見通しは良くない。時々、うっすらとなって白馬乗鞍岳の斜面を登っている2人が見えた。天狗原で行動食を取ながら休憩。天狗原には10人以上の人が上がっていた。蓮華温泉まで行く人も多い。


  比較的長い休憩の後、シールを外して蓮華温泉を目指して滑り降りた。しかし、ホワイトアウト状態で見通しが良く無かったので、他人のトレースを蓮華温泉に向かうものと思い込んで後をついてしまった。蓮華温泉に向かう標識が見当たらない。おかしいなと思いながらもそのまましばらく進んだ。

  下からがってくる人がいたので尋ねると親沢を滑ってから上がって来たとのこと。ここで、GPSを見ると確かに蓮華温泉に向かう振り子沢のルートでない。

  仕方なく天狗原まで戻った。天狗原で蓮華温泉に向かう2人連れに出会いしばらく一緒に行った。ガスが一部晴れて白馬乗鞍岳が左手に見えた。見通しが良ければ間違うことは無いのだが、きちんと確認せず他人のトレースをついてしまうミスを犯してしまった。
   
  蓮華温泉に向かう振り子沢にはオレンジ色の標識が沢山付いており迷うことは無い。雪はさらに降り続いており、やや重い雪が深く滑りは快適で無い。

    1回途中休憩をしたが、先行のグループを追い越して2時に蓮華温泉に到着。3月は高温の日が続いて雪解けが進んだが、4月に入ってかなりの降雪があったとのことで、積雪量はむしろ多いくらい。

    蓮華温泉に宿泊をお願いし温泉に浸かる。いつ来てもここの温泉は素晴らしい。残念ながら降雪が激しく上の露天の温泉には行けなかった。

    蓮華温泉の受付で声は覚えのある田原さんであったが、顔を見ると若い息子さんであった。以前、お世話になった田原さんは体調が悪くて休んでおり蓮華温泉まで来られないとのこと。年が経たことを感ぜざるを得なかった。

    本日蓮華温泉に山スキーで来られ、夕食中に話をしたNさんは80歳とのこと。そのスキーの滑り、動き、顔つきはとても80歳には見えなかった。自分もあと10年くらいは山スキーが出来るかも知れないなどと思わせてくれた。

  
GPSトラック