白毛門 1720 m

   谷川岳と湯檜曽川を挟んで向かい側にある白毛門、笠ヶ岳、朝日岳は夏に縦走したことがあるが、雪の時期に山スキーで訪れたことは無かった。この山域はリフトなど無くアプローチが長く日帰りで簡単に行くことが出来ない。しかし、沢沿いなどは素晴らしい山スキーサイトが多いとのことで一度は行って見たいと思っていた。
    前日の武尊山に引き続いて3月24日に所属している山スキーの会、RSSAの会員5名と土合から白毛門に登り宝川に下るルートをたどった。Mさんがリーダーとなり、Kさん、Sさん、Mさんと私の5人が参加。ロングコースである。車一台を宝川温泉の先の林道終点の駐車場に止めておいて土合まで別の車で行けば出発点に戻る必要が無い。

   
このコースを含め、白毛門、笠ヶ岳、朝日岳周辺は非常に素晴らしい山スキーサイトであると実感した。しかし、アプローチが長くアクセスが問題で体力が無いと日帰りが難しい。逆に入山する人が少なく静かな山スキーを楽しめそうである。

  
  
3月24日(日)霧雨、曇りのち晴れ、風弱し

   5名 (RSSAの3月例会、山スキー祭)

登行高度:1340 m、 滑降高度:1320 m 

土合(8:35)-白毛門(12:35〜13:30)-ウツボギ沢-広河原手前(14:00〜14:20)-武能岳(15:05〜15:35)−武能倉沢-宝川(16:30)
-林道(16:55)-宝川温泉(17:55)
   
 
   朝7時に宝台樹スキー場の民宿に朝食を用意してもらい7時半に宿を出た。まずSさんの車を宝川温泉先の駐車場にデポ。その後、2台の車で土合まで行き土合橋に駐車。朝は霧雨が降っておりガスがかかっていて上空は低い雲が垂れ込め先が思いやられるような天候だった。

   用意してスキーを担いで8時半過ぎに出発。霧雨は止んでいたが雲が掛っていて天候はあまり良くない。橋を渡って最初の急斜面が続いたが、雪は緩んでいる上、先行の登山者が大勢いるようでトレースがしっかり付いていたので尾根沿いの急斜面も比較的歩きやすい。遠方はガスで視界が効かない。尾根筋をただ歩くのみである。


    

  途中で下山してくる複数の登山者の話では頂上直下にシュルンドがあり危険なのでほとんどの人がそこから引き返しているとのこと。少し怖気づきながらも先に進んだ。途中2,3回休憩し、松の木沢の頭でアイゼンを付けた。

  晴れていれば谷川岳が正面に見えるはずだが何も見えない。さらに進んでシュルンドがある所を避けて上がった。その先で単独行の登山者に会ったので、危険なシュルンドがある所は何処ですか?と聞くともう通り過ぎていますとのこと。そうすると先ほど避けて通りすぎた所。注意して通ればそれほど危険とは思えない。

  そこから少し上がると白毛門の頂上だった。約4時間で頂上に着いた。皆で握手した。当初はガスで見通しが全く効かなかったのがしばらくするとガスが薄くなってきた。頂上で晴れ間を待ちながら昼食を取り長い休憩を取った。そのうち上部のガスが晴れて雲海の上に笠ヶ岳、朝日岳、反対側には谷川岳が見えてきた。待った甲斐があり、皆で歓声を上げながら見入った。


    

  ガスは完全にとれて日が差してきた。もっといたい所だが先はまだある。シールを外してウツボギ沢を滑り出した。上部斜面は広い上に程々の斜度が続き素晴らしい。雪面はフィルムクラスト状になっており、ターンするごとに表面の薄く凍った雪がカリカリ音を立てながら落ちて行った。しばらく下った下部は沢状となり緩んだ雪で非常に滑り易い。


       


  時々止まりながら周
囲を見回して滑りを楽しんだのち緩斜面となった広河原手前で滑りは止めた。シールを付けて右側の丸山までハイクアップ。周囲はブナの疎林で快適。日が照って暑くなりアウターを脱いで上がった。


              

   丸山頂上からは昨日上がった武尊山、谷川岳の眺望が素晴らしかった。天神平、マチガ沢がすぐ目の前に見えた。ここでもしばらく周囲を見ながら休憩。

   丸山から武能倉沢の左側の尾根を滑り降りた。上部は快適な斜面だったが下部の谷筋は雪解けが進んで危険な状態。瀧が出ているのが見えた。安全そうなルートを探しながら滑り降りて宝川沿いに滑り降りた。最後の厳しい崖のような斜面を何とか下りて川底に達しスーブリッジを利用して対岸に渡った。

    

  ここからわずかに上り宝川沿いの林道に出た。あとは林道沿いの緩斜面を滑り降りるだけである。雪は緩んでいたが滑り易い。途中からはヒールフリーにして歩きと滑りを交えながら下った。トンネルを超えてから滑りて下部は所々雪が切れてスキーは外して歩いた。

   林道の滑りと歩きは長かったが、未だ明るい6時前に駐車場に到着。後片付けして全員がデポしていたSさんの車に乗り土合に戻った時は暗くなっていた。

  後は全員で日帰り温泉(湯テルメ谷川)に入り、遅い夕食を取り各自帰宅した。

  なお、今回の写真は村石さんが撮られたものである。提供ならびに本HPに掲載を了承して頂いたことに感謝する。

 
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