武尊山(家の串) 2103m

   武尊山のうち前武尊は標高が高いので雪質が良いことが多いし、スキー場トップから一時間もかからず上がれるので山スキーの人気コースである。何より良いのは自宅から高速を使わずにスキー場まで70km、1時間45分で行ける点である。特に赤城山東面の道路が整備されてアクセスが非常に良くなった。

   1995年の2月には前武尊の先の剣ヶ峰から大規模な雪崩が発生して一人が亡くなっている。ちょうどこの雪崩直後に前武尊に上がったので、あまり役に立たなかったが雪崩遭難者の捜索をお手伝いをしたことがある。それ以来約10年はここに行く気がしなかったが、アクセスの道路が良くなったせいもあり、最近はほぼ毎年1〜2回出かけるようになった。

   連休明けの12日火曜日は天気が良くなるという天気予報で急遽前武尊に行くことにした。さすがに連休明けのウイークデーで先行で上がる人はいない。足首からひざ下のラッセルで結構きつかったが、雪が比較的軽かったので前武尊から家の串まで登りパウダースノーの滑りを楽しんだ。

  
2月12日(日)晴れ時々曇り、風弱し
   単独

登行高度:450 m、 滑降高度:1120 m (ゲレンデ内を含む)
オグナホタカスキー場トップ(9:30)-前武尊山(10:30)−家の串(11:50〜12:15)−荒砥沢1655m地点(12:50〜13:10)−前武尊山手前尾根1806m地点(13:50〜14:10)−12沢林道(14:55)−スキー場下部(15:20)
   

  朝6時半に自宅を出て8時20分ごろオグナホタカスキー場の到着。山スキーの準備をし、登山届を出してリフト3機を乗り継いでゲレンデトップに出た。シールを付けて歩き出そうとすると、単独行の一人がリフトを降りてきて挨拶。後を付けさせていただきますとのこと。

  日曜日のトレースを期待したが、新たに降った20〜30cmの新雪に覆われていてトレースは全く見え無い。足首からひざ下程度のラッセルが続いた。しかし、雪は比較的軽く、前武尊の頂上に一時間で到着。ヤマトタケルの像の下は雪で覆われている。曇り空だが見通しは良く、剣ヶ峰、家の串、中の岳、沖武尊が目の前に見える。

ヤマトタケルの像                        剣ヶ峰                              家の串と中の岳
    

  まだ時間が早いのでそのまま先に進み鞍部まで下りた。雪は粘着力がありやや締まっていて雪崩の可能性は低そうである。そのまま剣ヶ峰の下をトラバースして、家の串と剣ヶ峰の鞍部に出た。

   家の串に上がる尾根はややクラストしている上急斜面となる。左側を巻いたがクラストして斜面が急となった所で、スキーを外してザックに着け担いでがり尾根の上に出た。ここで再度スキーを付け上がったが、斜面が急になると再度雪面が固くなった。再びスキーを外して壺足で上がると頂上直下の緩斜面と成り雪が深くなった。わずかの登りをシール歩行して頂上に到着。今回は少し条件が悪いうえ先行者がおらず単独で上がったので時間がかかった。

  頂上で周囲の山々を見ながら昼食の休憩を取った。浅間山、日光白根、至仏山、赤城山、皇海山、谷川岳などは見えるが遠方の北アルプスなどは雲に隠れて見えない。

中の岳と武尊山                        剣ヶ峰、前武尊山と榛名山                  浅間山  
    

  シールを外して頂上から滑り出して雪の状態を観察。雪は深いが粘着力があり雪崩の恐れは無さそうである。谷筋の左側の急斜面を滑り降りた。ひざ下まで潜るが新雪が風でパックされていて重く快適な滑りではない。ターンした時に2回ほど転んでスキー技術の下手さを改めて認識。しかし、下部になると雪はパックされておらず軽くなり、また傾斜も緩くなった。パウダースノーの滑りを楽しんで荒砥沢の1655m地点でスキーを停止。

        家の串から荒砥沢を滑る
             

  再度シールを付けて足首からひざ下のラッセルで樹林の中、荒砥沢を左上に上がって行った。所々、固い斜面が出てきて歩きやすい所もある。トラバース気味に上がったので前武尊山からの尾根筋の1800m地点に出た。前武尊から滑り降りたトレース2本が見えた。

  前武尊まで上がろうとわずかだが上りかけたが時間も2時となっているし、疲れたので止めてシールを外して雪庇の間から12沢に滑り降りた。12沢の左岸の尾根の樹林の中を細かくターンしながらトラバース気味に滑り降りた。ここは軽いパウダースノーで非常に滑りやすかった。

  最後は傾斜が緩くなり12沢を渡る林道の橋に至った。再度、シールを付けて林道をしばらく歩いてスキー場に到着。後はシールを外してゲレンデを滑りおり、下山届を出して本日の山スキーは終了。
日帰り温泉に入って帰宅に着いた。

GPS トラック