鍋倉山 1289m

   鍋倉山は北信の豪雪地帯にある山で標高こそ低いが、ブナの森として有名で最近は山スキーの好適地としても知られている。一度は山スキーで訪れてみたいと思っていた所である。前日の4日はRSSAの例会で妙高の三田原山に上がる予定であったが、雨のため中止となった。そのまま帰宅しようかと思ったが、5日は曇り時々晴れの天気予報であったので急遽、鍋倉山に行って見ようかと考えて、飯山豊田ICを出て野沢温泉の民宿に宿泊した。

  
2月5日(日)曇りで小雪、後晴れ、風弱し
   単独

登行高度:730 m、 滑降高度:730 m 
温井(8:45)-鍋倉山(12:15〜13:00)−温井(14:00)
   

  野沢温泉の民宿で朝食後すぐに車で鍋倉山の麓の温井集落に向かった。空はどんよりと曇っており、小雪がひっきりなしに舞っていた。地図とGPSを用意してあったので、どうにか温井集落のはずれの除雪地点に到着して駐車。本日の入山者は他にいないようである。用意をして小雪は降っている中を出発。鍋倉山は雲に隠れているが見通しはそれほど悪くない。

  日曜日のものと思われるトレースが雪にほとんど覆われてはいたが、所々うっすらと見えた。そのトレースを辿り夏道を適当にショートカットして上がった。最初の田んぼ、さらに杉林を通り抜けた。田茂木池の横を通り、三角形の小屋の横に出た。

  ここから、正面左側の尾根を上がって行った。ずっとブナの林が続いている。初めは比較的やわらかい新雪が10cm位乗っていて傾斜も手頃であったが、途中から雪面が固くなって来た。傾斜が急になった所ではクラストしていて滑ってしまいシールで上がり切れない。クトーがあれば着けるのだが、今回は持参して来なかった。滑らないように慎重に歩を進めたが非常に疲れる。

  とうとう、わずかな距離だが滑ってしまい、もう上がるのはやめて引き返そうかと思ったがまだ時間は早い。そこでスキーを外してザックに着け担いで上がることにした。担いで歩くと、今度はひざ下まで潜ってしまう。最中雪の表面が固くて厚いが壺足だと表面の皮を突きぬいてしまう。苦労してクラストした急斜面を壺足で上がり切ると傾斜が緩くなり新雪が載っている。ここで再度シール歩行に切り替えて上がって行った。

                 ブナ林が美しい上部緩斜面の尾根筋
                   


  もう一回クラスとした急斜面をスキーを担いで上がると、後は傾斜が緩くなり新雪がかなり乗っているシール歩行しやすい斜面となった。時々、青空が見えてきた。広い尾根には雪の花をつけたブナの木が美しい。

  ブナの疎林の中を最後の一登りで頂上に着いた。時々ガスが切れて近くの山や下の集落が見渡せた。時間と主にガスが晴れることが多くなり、青空の範囲が広がり太陽が顔を見せてくれた。

頂上から見る黒倉山方面                     頂上から見る温井集落方面                 頂上で(青空が出てきた)
    

 
  風は殆ど無く暖かい。長い昼食の休憩を取り、そろそろ降りようかと思った時に3人連れが上がってきた。挨拶して少し話をした。この人たち地元の人たちで、鍋倉山に精通しているようで、帰りのルートを聞いたりした後、お先にと言って滑降を始めた。

           ブナの大木がある谷筋を滑り降りる                  ブナの疎林の快適な斜面
               


  新雪が固い斜面のうえに10cm位乗っていて斜度も手頃で非常に滑りやすい。ブナの林の中を適当にターンしながら滑り降りた。大きなブナの林の中を左側の谷筋に向かい滑り降りた。さらに谷をトラバース気味に越えて登りに使った尾根と反対側の尾根を滑り降りて行った。尾根を降りたところで三角屋根の小屋が見えた。林道らしい所に出てそのまま滑り降りたが遠回りになりそうで行きのトレースに向かった。あとはトレースに従い出発点に戻った。

    最下部の平坦な中を行く                               鍋倉山を振り返り見る。左側の尾根を上がり、右側の尾根を下った。
       

  道具を片づけて帰る準備をして車を出発しようとしている時に、頂上であった3人連れが戻ってきた。本日はウィークデーで曇り空であったので、一人だけの入山者かなと思っていたが、さすが人気の山で他にも入山者はいた。確かに巨大なブナの林の中の滑降は素晴らしかった。

  この後、塩沢に向かい関越道を経由して帰宅した。
  

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