神楽峰 2030m

   一か月ぶりだが、今シーズン2度目の山スキーで神楽峰に出掛けた。今年の11月〜12月は例年に無く寒い日が続いて、日本海側は雪の日が多い。神楽スキー場周辺でも降雪量が非常に多いようである。ゲレンデで2m近くの積雪があり、神楽峰山頂では2m40cm以上の積雪量であった。

   雪の合間の好天が期待された12月25,26日の2日間、和田小屋に宿泊して山スキーとゲレンデスキーを楽しんだ。気温が低く前日までかなりの降雪があったので雪質は良い。結局、2日間で神楽峰に3回上がり、パウダースノーの滑りを楽しんだ。

   和田小屋にはずいぶん昔に泊まったような気がするが記憶が定かで無い。今シーズンを前にして改装して快適になったとの事で一度泊まって見たかった。宿泊客は朝一のファーストトラックが楽しめるとの事である。宿泊料はリーズナブルだし、食事も悪く無い。風呂にも入れるし丁度山小屋と普通の旅館の中間くらいの感じである。

   ウィークデーの真ん中で宿泊客は自分も含め7人であったが、全員が私と同年代の人で山スキーをやる人たちであった。
   

12月25日(水) 薄曇り,後晴れ

単独
登行高度:400 m、 滑降高度:600 m (ゲレンデは除く) 

かぐらスキー場営業ゲレンデトップ(12:10)-神楽ヶ峰(中尾根の頭)(13:50〜14:25)−和田小屋(14:50)
   


  いつも通りの朝食後、車で自宅を出たのは9時少し前。みつまたスキー場の駐車場に11時前に到着。

  準備してスキー場の事務所に向かい、和田小屋の宿泊の確認、宿泊料の支払い、リフト券の購入を行った。宿泊者のリフト料金は一日当り3000円で、一般のリフト料金よりかなり割安となっている。おまけに、12時以後はさらに割安となると言う。12時まで1時間近く待ってもやることが無いのでそのままリフト券を購入した。宿泊料、2日分のリフト料合わせて1万3千円也。

  さらに、いつものようにここで登山届を出そうと申し出ると、つい最近登山届の受付を止めて登山届用の箱も撤去したとの事であった。代わりに登山届等はすべて新潟県警に提出することになったので、スキー場のコース外を出て山に上がる場合は新潟県警に登山届を出してくださいと言われた。

  つい、一か月前にはこちらで登山届を受け付けてくれて、登山届を出さない人は山に上がらないで下さいと言われていたことを述べたが仕方が無い。新潟県警の指導もありますのでと、新潟県警のメールと電話番号を教えてくれた。その場で新潟県警に電話した所、今回は特別に電話での届けを受け付けますとのことで必要な事項を電話で述べるだけで受け付けてもらえた。親切な担当者で良かった。

  みつまたスキー場に上がるロープウェー、みつまたスキー場のリフト、かぐらゴンドラを乗り継いで和田小屋に向かった。チェックインは2時からとの事で、余分な荷物だけを小屋に置いて高速リフトに乗りゲレンデトップに上がった。さらに上の第5リフトは営業はしていない。

  前回の11月と異なり雪が豊富にあるので、尾根伝いに神楽峰まで上がることが出来る。ゲレンデトップの網の端まで行きシールを張り山スキーの準備をした。先行者一人が丁度出発した。既に何人の人が上がったようで立派なトレースが付いていて非常に歩き易い。途中、先行の山スキーヤー一人、ボーダー2人を追い越して快調に上がり、第5リフトの上に出た。

     
雪を被った樹林帯をハイクアップ                     上の芝を仰ぐ
          

   休まずそのまま中の芝を進み、上の芝で右側の中尾根の頭の方に向かった。午前中はやや雲が出ていたが雲一つない青空となった。辺りのシラビソの林は雪を被って樹氷になる手前で陽に映えて美しい。その中を一人進む。

   最後のわずかの登りで中尾根の頭のピークに到着。先行の2人の若い女の子がいた。若い女の子の2人連れは珍しい。彼らもやがて中尾根を滑り降りて行き静かになった。

      
中尾根の頭のピークから見る苗場山                  神楽ヶ峰山頂
          

   風も無く良い日和である。周囲の山々の眺望が素晴らしい。右手に神楽ヶ峰とその向こうに苗場山。正面には平標山、仙ノ倉山、谷川岳、小さく見えるのは日光白根山、その左手には日白山、遠くの特徴的な燧ヶ岳、さらに巻機山など。昼食を取りながら長い休憩を取った。


    
 平標山、仙ノ倉山、谷川岳、遠方に見える日光白根山         左端遠方に燧ヶ岳
             

   そろそろ下ろうかと準備をしていると、単独行の人が上がって来た。パウダースノーの滑りが良かったので、本日2回目の登りだとか。お先にと言って左側の中尾根を滑り降りた。初めは樹林帯の緩斜面で先行のトレースについて滑ったが、斜面が急になった所でオープンな斜面となった。トレースが何本か着いていたが広い斜面である。先行のトレースと離れて端のノートラックの斜面を滑り降りた。セミファットのスキーだが膝下程度の軽いパウダースノーで非常に滑り易い。

     
カッサ湖を下に見る                                中尾根上部の樹林帯の緩斜面を滑る
           

   快適な斜面を滑り降りてから中の芝沢の谷筋を先行のトレースに従い滑り降りた。やや藪がうるさいが滑り降りるのに問題は無い。最後はゲレンデに出て和田小屋に戻った。

   和田小屋に荷物を置いて、1時間ほどゲレンデスキーを楽しんでから4時前に和田小屋にチェックインした。部屋はふすまで仕切られていたが、比較的暖かく快適である。大きな部屋に一人だけでゆったりしている。同宿者は男性3人、女性3人のグループで自分とほぼ同世代の人たち。5時から入浴し、6時から夕食。ボリュームもありおいしかった。9時に消灯。

   
12月26日(木) 薄曇り,後曇り

単独
登行高度:800 m、 滑降高度:1300 m (ゲレンデは除く)

かぐらスキー場営業ゲレンデトップ(8:40)-神楽ヶ峰(10:10〜10:40)−田代スキー場(11:10)


かぐらスキー場営業ゲレンデトップ(12:00)-神楽ヶ峰(中尾根の頭)(13:35〜13:45)−和田小屋(14:10)

  朝食は7時から。準備して8時から営業の高速リフトに乗る。和田小屋宿泊者に特典のファーストトラックだが、昨夜は雪が降らなかったのでパウダースノーでのファーストトラックとはいかない。それでもせっかくだから同宿者6名と一緒に圧雪車でコース整備されたゲレンデを最初に滑り降りた。

  さらに高速リフトに乗り、ゲレンデトップでシールを張りハイクアップ開始。薄曇りだがまずまずの天候で今日1日はどうやら持ちそうである。同宿者6名は中尾根を滑るとの事で、その最後について時々話をしながら進んだ。6名とも山慣れた方ばかりで昨日のトレースに従い快調に進んだ。

   上の芝の手前で右手に中尾根の方に向かう彼らと離れて左手正面の神楽ヶ峰山頂に向かった。こちらも昨日のトレースがあり歩き易い。1時間半ほどで頂上にたどり着いた。目の前の特徴的な苗場山が雪を被って美しい。しばらく休憩してシールを外して滑降開始。田代スキー場を目指して少し左手にトラバース気味に滑った後、緩斜面のやや広い尾根筋を滑り降りた。昨日も滑った人もいない様でノートラックの雪を被った樹林帯を縫って滑り降りるのは楽しい。


      
神楽ヶ峰より間近に見る苗場山                          神楽ヶ峰頂上で
           

  大きな反射板が設置されているピークに達するとそこから下は無立ち木の広い斜面が拡がっていた。やや急なノートラックの斜面をを小回りのターンを繰り返しながら滑り降りた。軽いパウダースノーで非常に滑り易かった。そのまま下に滑り降りて数エ門沢に達した。沢筋はやや藪が濃く、しかも下部は沢が割れている所もあった。沢底に入らないように沢の上部を慎重に歩を進め田代スキー場のゲレンデに出た。

     
神楽ヶ峰から尾根筋を田代スキー場目指して滑り降りる         ノートラックのやや急な斜面を滑り降りる
           

  
 後はリフトを乗り継ぎゲレンデを滑り降りて和田小屋に到着。中尾根を滑り降りた同宿の6名の方が休んでおられた。彼らはこれでおしまいで下に下るとのことでのんびりしていた。しばらく立ち話をしている間に女性の一人が数年前に乗鞍岳でお目にかかり、また、御主人がRSSAの会員であるFさんであることが分かった。山スキーをやっていると何度か同一の人に山でお目にかかることがあるが、この世界は狭いと感ずることがある。

   まだ12時前だし天候は持ちそうなのでもう一度上に上がって中尾根を滑ることにした。高速リフトに乗りゲレンデトップに上がった。シールを張っている5,6名のグループがいた。どうやらバックカントリーの講習をやっている雰囲気で指導者らしい人が説明をしていた。シールを付けてハイクアップを開始。立派なトレースが付いていて歩き易い。今回3度目のハイクアップで快調に上がった。天候は崩れ気味で雲が多くなってきたが、午後一杯は十分持ちそうである。日光白根山など遠方の山は見えないが、平標山など近くの山は見える。

   中尾根の頭に着くと先行のボーダー2人がいて滑り出すところであった。しばらく休んでからシールを外して滑降開始。昨日と少し離れてノートラックの斜面を滑り降りた。気温が低かったせいか本日もパウダースノーの滑りを楽しめた。谷筋を滑り降りて和田小屋に到着。荷物を置いてもう一回高速リフトに乗りゲレンデを滑った。和田小屋で預けた荷物を回収しコーヒーを飲んでからゲレンデを経由して帰途に付いた。

   今回は雪質、天候に恵まれ、平日で混雑もせず和田小屋にゆったりと宿泊して楽しい山スキーを楽しむことが出来た。


   
GPSトラック