巻機山 (1967m)

 
  ゴールデンウィークに入って山スキーが出来る所は近場では尾瀬の山々、神楽峰あるいは巻機山くらいだろう?巻機山は日本100名山の一つだが、残雪期の山スキーは難しいところが無く高度差が有り楽しめる山である。

   42,3年前の山スキーを始めた頃研究室のIさんやFさんと一緒に巻機山に行き、その後2,3年4月末から5月始めにかけて毎年出かけていた。その当時は電車とバスで清水集落に入り民宿の運天に泊まって行った。それから長いことご無沙汰していたが15〜20年前には自動車で行き車中泊で2,3回巻機山に山スキー出かけた記憶がある。さらに、8年前の3月20日頃に運天に泊まった後、巻機山に行き米子沢を滑った。


   
久しぶりに、運天に泊まり巻機山に行って見るかと、好天の予報であった4月30日に出かけることにして、29日の昼過ぎに自宅を出て夕方清水の集落の手前にある運天に宿泊した。驚いたことに本日の宿泊客は自分を含め3人。しかも、二人は巻機山には上がらないと言う。40年前のゴールデンウィークはもっと大勢いたような記憶がある。宿の主の父ちゃんと母ちゃんは2人とも80歳代だとか。歳はとっても昔のように元気でやっていた。夕食は山菜が一杯であった。翌朝が早いので早めに就寝。


4月30日(土) 晴、後曇り、小雨


単独
登行高度:1540m 滑降高度:1540m
桜坂駐車場(6:40)-巻機山(10:35〜11:00))-にせ巻機山手前から米子沢源頭(11:20〜11:30)-巻機山(12:00〜12:05)−米子沢源頭(12:10〜12:20)-にせ巻機山(12:40〜12:45)-駐車場(13:30)

  朝5時半に起床。朝食のおにぎりを持って車で6時出発。清水の集落を過ぎて除雪された舗装の林道を通り桜坂の駐車場に着いた。周りは未だ雪が多い。既にかなり沢山の車が駐車していた。準備して出発。駐車場の上からシールを着けてハイクアップ開始。ざら目雪が締まっていて非常に歩き易い。右側の比較的傾斜が緩そうなところを上がって行った。

  井戸の壁の急斜面も未だ雪がついており、シールでジグを切りながら上がって行った。ここでスキーを担いで上がって行った人に追い抜かれた。雪が締まっているので、担いで上がった方が楽だし早かったようだ。

  急斜面を上がるとブナが生えている広い尾根道になる。少し上がって先行している人に追いついた。ここで、朝食のおにぎりを食べ水分補給。休んで食べたので調子が良くなった。ここから、快調にシールでハイクアップし先行している人を追い抜いていった。早朝は晴れていた天気がだんだん悪くなり雲が多くなって来た。

ぶな林ノ中を行く                   にせ巻機山を目指してハイクアップ        巻機山
    

  にせ巻機山の手前の急斜面では先行のトレースに付いてスキーを担いで上がった。にせ巻機山に至る尾根筋に出た所で再びシール歩行。風が出てきて少し寒くなった。にせ巻機山を過ぎてシールのまま滑り降りて小屋のある鞍部に達した。ここは風が無く何人かの人が休んでいた。ここで、少し休憩。行動食を取り水を飲んだ。

   曇り空で風が出てきて少し寒いが、頂上までハイクアップし、4時間足らずで頂上に着いた。ここであたりの眺望を楽しみながら休憩。天候は悪くなり、風が出てきて小雨とあられが混じって降ってきた。

  急いでシールをはずし滑降開始。ほどほどに締まったざら目雪で滑りは快適。直ぐににせ巻機山の鞍部に到着。そのまま少しハイクアップすると左側下の米子沢源頭に人がいる。

  にせ巻機山の手前から米子沢源頭の下まで距離は短いがほどほどの急斜面である。小雨は止み少し明るくなったし、時間は未だ十分あるので、この急斜面を下まで滑り降りた。

米子頭山と米子沢                   米子沢源頭部                     頂上より見る割引岳
    

   滑り降りたところでシールを付け、米子沢源頭部を巻機山頂上までハイクアップし再び頂上に達した。直ぐににシールをはずし、上がってきた米個沢源頭部を滑り降りた。

  降りた所で再びシールを付けにせ巻機山に向かってハイクアップ。天気は悪くなり雨がぽつぽつ降り出してきた。長居は無用と直ぐにシールをはずして滑降開始。滑り安いざら目雪で適当にターンしながら休みなしに滑り降りた。森林限界から上の広い尾根通しの滑りは非常に快適であった。

にせ巻機山頂上                    割引沢                         井戸の壁下部
      
  下のブナの林は少し密すぎて快適な滑りとはいえないが、ざら目雪が非常に滑りやすくスラローラムの雰囲気でターンしながら進んだ。井戸の壁の急斜面は林が結構密に生えている上、一部雪が溶けていてコース取りが難しい。だが、細かいターン、横滑りとキックターンを交えてスキーをはずす事無く滑り降りることが出来た。最後の緩斜面を滑り降りて駐車場に戻った。

  駐車場に着いた頃から小雨が少し強くなってきたが、殆んど濡れずに済んだのは幸いであった。陽が差さず、気温も低めであったためざら目雪が滑りやすく、にせ巻機山から45分で下りてしまった。途中、登山者を次々と追い越していった。やはり、スキーは早い。

  車で運天まで戻りお茶を頂き話をした後、帰路に着いた。

   GPSトラック