5月22日(土)、晴れ時々うす曇、風弱し

針の木岳(2820m)、蓮華岳(2799m)
単独
登行高度:1810m 滑降高度:1670m 歩行下降高度:140m 

扇沢(5:00)-針の木岳(9:40〜10:00)-2400m地点(10:20)-針の木峠、2543m(10:50〜11:10)−蓮華岳(12:55〜13:30)-スキー終了地点、1535m(14:15〜14:25)-扇沢(14:45)

   
  21、22日は好天で気温が上がるが、23日の日曜日は天気が崩れるとの天気予報であった。気温も上がりそうで、雪が緩んで暖かい中での山行が期待できる。山スキーシーズンは終わりに近づいているが、5月中にもう一度行きたいと針の木岳、蓮華岳に行くことにした。針の木岳、蓮華岳に行くのは4年振りである。4年前と同じルートを辿ってみた。

  
 21日の夕食後に自宅を出て夜、扇沢の駐車場に着き車中泊。

  朝4時30分に起きて簡単な朝食を取り、準備して5時に出発。既に先行の山スキーヤーが2人いた。ほぼ同じ頃出た単独行の山スキーヤーと少し話をしながら上がって行った。最後の堰堤を少し行った所でシールを張りシール歩行とした。先行の一人が大分先を針の木雪渓を上がっているのが見えた。また、もう一人の先行者は蓮華大沢を上がっていた。同時に出た単独行の人はスキーを担いでそのまま上がって行ったが、シール歩行の方が早くてすぐに追い越して行った。

  ゆっくりだが殆ど休まず快調にハイクアップしてマヤクボ沢に入り、先行者を追って左側の傾斜が緩そうな所をトラバース気味に上がって行った。スキーアイゼンを着けようか、アイゼン歩行に切り替えようかなどと思いながらも、雪は緩んでいたので、そのままシールのみで上がって行った。岩が横に並んでいる所を左側から越えた上で少し休憩、軽い行動食と水を飲んで最後のハイクアップ。稜線に上がる直前でスリップして2mほど落ちかけたが、すぐにストックとスキーで止めて事なきを得た。

      頂上直下で仰ぎ見る滑走ルート               頂上直下で蓮華岳を見る、太陽にかさがかかっている
         

  そのまま、稜線に上がり尾根伝いに上がった。頂上手前の急斜面の所はスキーをザックに付けつぼ足で上がった。先行者のトレースがあり、雪が緩んでいたので結局アイゼンを使わずに頂上まで上がった。扇沢から4時間40分、まずまずのペースであった。

針の木岳頂上                       頂上から見る黒部湖、立山、剣岳           頂上から見る薬師岳
  

   先行者は既に滑り降りたようで頂上には誰もいない。天気は薄曇りながら、風が無く暖かい。行動食を取り少し休憩。剣岳、立山、薬師岳、鹿島槍ヶ岳、白馬岳など周囲の山々が一望出来、素晴らしい眺めである。下には黒部湖の青緑色の湖面が見える。また、眼下には上がってきた針の木雪渓、マヤクボ沢が見える。

頂上から見る槍ヶ岳、穂高連峰             頂上から見る針の木雪渓、鹿島槍ヶ岳       スバリ岳
  

   頂上から少し戻り、シールをはずし靴をスキーモードにして、岩の間の急斜面を滑り降りた。ザラメ雪が緩んでいて滑りやすい。途中、2,3回止まって休みながら降りたが、それでもあっという間に降りてしまう。急斜面を降りきった所で、右側に出来るだけ高度を落とさないようにトラバース気味に滑って針ノ木峠に上がるルートにたどり着いた。

   スキーをザックに付け、トレースに従いつぼ足で上がった。30分のハイクアップで針ノ木峠に到着。小屋の横には2張りのテントがあり3人がいた。彼らは針の木岳に上がって行った。ここで、水を飲み行動食を取り少し休憩。
 
  針ノ木峠から尾根沿いの登山道を辿り蓮華岳までスキーを担いで上がった。雪が溶けずに残っている所もあるが、大部分夏道の登山道が出ていて歩きやすい。夏には周囲にコマクサの群落が見られる砂礫の登山道を、周囲の山々や滑り降りた針の木岳を見ながら、のんびり歩いて蓮華岳を上がった。針の木岳には大勢の人が上がっているのが黒点のように見えた。

    登山道か見る蓮華岳と蓮華大沢右俣上部             登山道から見る針の木岳、登山者が黒点のように見える
         

  先行の2,3人が蓮華大沢を滑り降りるの見えた。また、犬をつれ単独のテレマーカーにお目にかかった。雪のある蓮華大沢最上部にザックとスキーを置いて、蓮華岳頂上まで数十メートルを歩いて上がり、周囲の山々の遠望を楽しんだ。槍、穂高がかすんで見えた他は、北アルプスの山々がくっきりと見えた。ここも風が無く暖かい。

      蓮華頂上のお宮                         蓮華岳頂上
          


蓮華岳頂上から見る周囲の山々
   

  頂上にしばらくいてから戻り、昼食の休憩。先ほどのテレマーカーと犬はいなくなっていた。一時半になったので、準備して蓮華大沢の雪面が出来るだけきれいでトレースが無い右側の急斜面を滑り降りた。緩んだザラメ雪で快適な滑りであった。下部も雪面はあまり荒れておらず、石や木片も少なく滑りやすい。

蓮華大沢右俣の上部               滑ってきた蓮華大沢右俣上部を仰ぐ、またかさ雲が    蓮華大沢右俣下部
  

   時々休みながら滑り降りて針の木雪渓との出会いに達した所で犬を連れたテレマーカーに追いついた。後は下りのトレースに従い滑り降りた。橋の手前の雪が切れていた所でスキーをはずして歩いた後、再びスキーで滑り降りて橋を越えて沢の横を滑り作業道の入り口近くでスキーは終了。後はスキーを担いで扇沢に戻った。

   天気も雪質も良く、少しハードだったが楽しい山スキー行であった。前回の富士山と同じく薄雲で太陽の周囲に虹の笠が出来ているのが見えた。これは良い徴候なのかなのか。これから天気は崩れていく方向にある。