3.種子を発芽させ苗を育てる
農業資材店、ホームセンターではシーズンになると色々の野菜の苗を売っている。秋と春にはキャベツ、ブロッコリ、レタス、白菜などの苗初夏にはトマト、ピーマン、ナス、カボチャ、キューり、スイカ、メロンなどの苗が売られている。
安いもので一本が60円くらい。高いものだと300円近くするものもある。少量ならそれほど問題無いものでも大量になると値段もばかにならない。
家庭菜園ではほとんどの場合、苗を購入して栽培する。購入した苗なら確実に入手出来るし苗つくりの手間もかからない。最近ではプロの農家でも苗を大量に購入して栽培するようである。購入した苗を植え付けても枯れてしまったりする場合もある。
種子から苗を作る場合のメリットは
1.種子は苗より圧倒的に安い
2.安価に苗を大量に作ることが出来る
3.種子ならいろいろの品種の入手が可能
4.外国野菜の種子も検疫済みなら入手出来る
5.時期はずれでも苗の入手が可能になる
問題点は
1.手間がかかる
2.確実に苗が出来るとは限らない
3.袋入りの種子を購入しても沢山ありすぎて使いきれず結局割高になる
(この問題点は種子を冷凍庫に保存しておけば長期保存出来、毎年少しづつ使用できるので問題にならない)
トマト、ナスなどの夏野菜の苗つくり
売られている野菜の苗はナスとかトマトとか書いてあっても品種名を表示していない場合が多いし、表示してあっても売れ筋の特定の品種に限られている。
趣味で野菜つくりをやるなら、変った品種の野菜、スーパーなどで売っていない野菜などを作って見たい。このためには種子から自分で苗つくりをする必要があるし、場合により自分で種子を採取して見る必要がある。
出来るだけ手間を省きしかも確実に種子を発芽させ、苗を作るための工夫を自分なりにやってみた。最近では夏野菜のトマト、ナス、ピーマン、バジルなど毎年種子を発芽させて苗作りをやり、苗を購入することは無くなった。
今年(2014年)にはトマト4品種、ミニトマト2品種、ミディトマト1品種、ナス4品種、ピーマン7品種、キューり、バジルの苗つくりを2月か3月末にかけて行った。一品種について10〜18個の苗をポットに植えたので、総計で300を超える。
山科ナス、万願寺トウガラシのような伝統的な京野菜やサンマルツアーノ(イタリアの調理用トマト)なども種子から苗つくりをやるので栽培できる。
苗つくりの方法は
1、2月中旬に電気保温式育苗機の容器の部分に水を入れる。その上に置くトレイに種蒔き用培養土を入れてトマト、ナス、ピーマン、バジルの種子を撒く。 トレイの上はカバーをする。電気保温式育苗機のスイッチを入れて保温する。
2. 10日(トマト)から20日で(ナス、ピーマンなど)で発芽する。普通、発芽率は90%以上。苗がある程度大きなった20日から40日後にポットに移植。
3.ポットに畑の土に少量の購入した完熟たい肥を混合した苗用の土をポットに入れておく。苗の数だけの土入りポットを用意する。
ジョロで土入りポットに水をかけて湿らせた後、使い終わった細いサインペンでポットの真ん中の土に大きめの穴をあける。
4.保温式育苗機で育った苗をトレイから小さなフォークを利用して一本、一本の苗を取り出していく。
種蒔き用培養土は軟らかく苗の根から簡単に外れていくので根を痛めることは少ない。
5.取り出した苗の根を3で作ったポットの穴に差し込む。
6.うまく穴に入らない苗はピンセットを使って押し込み、穴を回りの土で埋めてポット入り苗の完成。
7.ポット入り苗をトレイに集め、トレイには水を入れて乾燥しないようにする。水は数日に一度つぎ足してやる。
4月下旬まで寒さ除けのために苗入りトレイは部屋の中の窓際や簡易温室に入れて置く。連休後の苗植え付け時には丈夫で大きな苗に育っている。
このようにしてポットに移した苗は水さえやれば枯れ無いが、大きくならず苗の状態で長期間保存出来る。そこで、これらの苗の畑への植え付けを5月連休後、6月中旬、7月下旬と3回に時期をずらして植え付けることにより収穫時期もずらすことが出来た。
スイカ、メロン、カボチャなどは4月に入ってから種蒔きをして苗つくりをする。これらは保温式育苗機を使わなくても発芽するが、発芽を早めようとすれば育苗機を用いる。